連載:テーブルゲーム用語の基礎知識

本誌掲載の同名記事です。 (pdf版発行 7日後にアップ)

2009年8月 6日 (木)

シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その4) ワイルドカード・オールマイティ(5/5)

日本語ではなんと呼ぶ?
日本では花札の「むし」「すだおし」などの競技にワイルドカード(通常札から数種類を指定) があり、「化け札」「鬼札」と呼ばれます。
そして忘れてならないのが「ジョーカー」。日本ではワイルドカード・スーパートランプ両方の意味で使われます。ジョーカーについては成り立ちから説明すべく、次回本稿でとり扱います。

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シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その4) ワイルドカード・オールマイティ(4/5)

オールマイティの方が有名用語
日本でのゲーム用語では、ワイルドカードという熟語より、「オールマイティ[almighty]」という単語の方がよく使われます。現在流通しているラミィキューブ(増田屋コーポレーション販売)(ケータイ向けはこちら)のマニュアルにも、「ジョーカーはオールマイティなタイルで~」との文言で、ワイルドカードとしての役割が説明されています。
almightyという単語は「全能の」という意味で、この全能性が「他の普通のカードの能力を全て持つ」と解釈され、ワイルドカードと同意になったのでしょう。

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シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その4) ワイルドカード・オールマイティ(3/5)

ワイルドカード弱体化のトレンド
ワイルドカードのあるポーカーでは、それが手に入るだけで手のランクが大きくあがります。考えても見てください。他4枚がバラバラでもワイルドカードが1枚あればワンペアになるくらいですから。
このままではポーカーが「ワイルドカード入ったもの勝ち」のつまらない種目になってしまうため、ワイルドカードの使用法に制約をかけたり、ワイルド込みの手の評価を下げるルールが複数(ローカルルールレベルですが)開発されています。

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シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その4) ワイルドカード・オールマイティ(2/5)

白紙っぽい天然素材だからワイルド
ではなぜwildcardの名前がついたのか?
英和辞典でwildを引くと、形容詞としての第一義に「野生の、天然の」とあります。「天然のカード」といえるのは、何も描かれていない(=白紙の)カードでしょう。
ポーカーで、最後までベッドに残ったプレイヤーが手を公開しますが、この時に白紙のカードに好きな絵柄(いわゆるトランプにある物ですよ!)を書き込んで使うわけです。
実際の運用では本物の白紙のカードを使わず、セットに入っている特定のカードをワイルドカードと決め、公開時に口頭指定します。カードの口頭指定をする前に全プレイヤーが判定をして処理してしまうので、指定シーンはめったにお目にかかれませんが……

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シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その4) ワイルドカード・オールマイティ(1/5)

(コンピュータを前にして)
A「うーん、どこだったかなぁ?」
B「どした?」
A「こないだプレイした新作の写真、どこに入れたかわからなくなって……、写真のファイル名の頭四文字に『メビウス』ってつけたのは覚えているけど」
B「OK、ちょっと貸してみ。」
(検索ウィンドウに『メビウス.*\.jpg』と打つ)
B「ほら出た。この中から探せばいい」
A「わーい、ありがとう。ところで、この打った文字に混ざった記号は何?」
B「ワイルドカードって言って、任意の文字列を現すんだよ」
A「わいるどかーど?文字なのにカード?」
B「アメリカ発だけに、元はカードゲーム用語のようだね……」

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2009年6月 5日 (金)

シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その3) 成金 (4/4)

成りの表現・アレンジすると
将棋類のモダンゲームやプロモーション品では、駒がモチーフを変えてたりアレンジされています。そんな中でも、歩に相当する駒(特に後退能力のないもの)は成りの対象となることが多いです。用語も「成り」という抽象的なものではなく、「成長」「昇格」というイメージしやすい単語を使っています。(チェスの「プロモーション[Promotion]」は元から「昇格」の意味ですが)

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シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その3) 成金 (3/4)

金に統一されている小駒の成り
将棋で、「小駒」と呼ばれる駒5種類(歩・香・桂・銀・金)のうち、成りのある4種類は、成ると全て、金と同じ動きの駒(と・成香・成桂・成銀)に変化します。これは平安後期から鎌倉前期に成立したといわれる平安将棋の時代からのルールが採用されています。平安将棋は、大駒(角・飛)の存在がなく、取った駒が取り捨て(ゲームから除外)になるという以外は、現在の将棋と同じです。
標準的な将棋の駒では「金と同じ動きの成り駒」は、元の駒がわかるように「金」という文字を少しずつ崩して書いています。歩が成った「と」は金を極限まで崩したの物という説が存在します。

平安将棋と同じか、それと多少前後した時代に成立した、ボードのグリット(升目)数が9×9以上、駒数が合計40より多い小将棋以上の規模の将棋類(以後、「古将棋」と表記)では、将棋と同じ名称の駒でも、成った後の能力が違うものがあります。
中将棋以上の駒/グリッド数の古将棋の金は成ることが出来るものがあります。成った香・桂・銀も金ではなく、それぞれ別の駒の能力になります。「成金」ということばは、古将棋では意味が変わるわけです。

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シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その3) 成金 (2/4)

意外と少ない「他の駒への変異」
将棋類に分類されるトラディショナル種目の代表を5種目あげるとすれば、チェス・将棋・象棋・チャンギ・マークルックになります。
これらの種目のうち、チャンギ以外の4種目に「敵陣に踏み込むと駒の能力が変わる」ルールが存在します。さらに将棋の「成り」に相当する、「今までの能力を失い、他の駒に変異する」ルールがあるのは、以下に示したものになります。

将棋 成り条件(共通):移動元・移動先どちらかが敵陣
歩兵(歩) 成ると と金(と:金同等)
香車(香) 成ると 成香(金同等)
桂馬(桂) 成ると 成桂(金同等)
銀将(銀) 成ると 成銀(金同等)
角行(角) 成ると 竜馬(馬)
飛車(飛) 成ると 竜王(竜)
チェス 成り(プロモート)条件:敵陣最後列到達
ポーン プロモートでクィーン(Q)・ルーク(R)・ビショップ(B)・ナイト(N)のどれかに変化(選択可能)
マークルック 成り(プロモート)条件:敵陣進入
ビア 成ると ビアガーイ(メットに同じ)
参考>象棋の兵・卒(同等)は、盤中央の「河」を越えると、移動範囲に「横1グリット」が追加

上に示した中で、赤色表記の駒は「後退能力がない」駒です。
これらの駒が、盤の相手側端まで行くと動く先がないので、ただの障害物と成り下がってしまうのを解消する措置が「成り」の発明のきっかけといわれています。
将棋以外は、歩相当以外の駒は全て後退が可能なため、他の駒には(無駄駒にしないための)能力変化をさせる必要がありませんでした。チャンギは歩相当(卒・兵)に最初から横移動能力があるので、成りの概念が不要と分析されています。
後退能力のある銀・角・飛に成りの権利がある将棋は特例と言えます。

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シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その3) 成金

海外のある街、日本人観光客が現地の人のガイド(日本語ぺらぺら)で散策中のこと……
日本人「あのPawnshopってなんでしょう」
ガイド「ちょっと日本語が思い出せませんが……持っている貴金属や電化製品を預ける代わりに、お金を借りることができる会社です」
日本人「質屋さんのことですね」
ガイド「そう、それです」
日本人「PawnshopのPawnって、チェスのポーンと同じスペルですよね。何か関係があるんですか?」
ガイド「それを言うなら、確か日本のPawnshopは昔、将棋の駒のような看板を出していたそうじゃないですか、なぜですか?」
日本人「詳しいですね。将棋の駒のほとんどは、成ると金になることになぞらえたそうですよ」
ガイド「なるほど。ついでに、成金って言葉もそれに関係ありますか?」
日本人「……ありますね」
ガイド「Pawnshopも同じ理由で名前がついたと思いますよ。ポーンはプロモートして別のピースになりますから」

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2009年5月11日 (月)

シリーズ・日常用語になったゲーム用語 その2) グランドスラム(4/4)

月にたどり着いて逆転よ?!
グランドスラムとシベリア負けに関連したルールを一つ。
Windowsのアクセサリに入っていることがあるトリックテイキング種目・ハーツ(ブラックレディ)。この種目ではハート(13枚・各-1点)とスペードのQ(-13点)が失点カードとなりますが、14枚の失点カードを全て取ると、取った本人は免責(=そのディールの失点0)され、他プレイヤー全員に-26点がかかります。
これを「シュート・ザ・ムーン[Shoot the Moon]」と呼びます。「多大な犠牲を払った苦労の末、大きな夢をかなえた」というニュアンスがあります。
ただ単にシュートと呼ぶこともありますし、花札・花合わせ系種目用語の「フケ」(取り札が一定以下のときに与えられる役)を使う人もいます。

シュート・ザ・ムーンはトリックテイキング以外でも、「得点要素/失点要素を全て一人で達成してしまったときに、価値の逆転が起こる」ルールを指すこともあります。日本産のトリックテイキング・ツーテンジャックは、プラス点カードとマイナス点カード両方にシュート・ザ・ムーンを採用されることがある、珍しいケースです。

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